Gurnard Murmured

とりとめもない話、そのすべて

2023-01-01から1年間の記事一覧

12月22日 PM9:13 リビング

ぱたぱたと鳴る 雨が、鳴る 夜9時を少し過ぎて 君が淹れた ホットカフェオレが ちょっと、 ぬるくなって 猫舌のぼくに ちょうどいい温度になった 「来る」 宙ぶらりんの視線、 「奴が、来る」 読んでいた本を閉じる。 それは魔法かもしれない 誰かがかけた呪…

12月18日 PM4:23 公園にて

「そうやって、 いつもいつも 君はしょうがない奴だ」 って、君が言って 笑った 雪が降るだろう あと少し、冷えたなら 手が届きそうな低い空 シーソーを ぎったん、ばっこん、 ぎったん、ばっこん、 ぎったん、ばっこん。 僕の命と君の命で ぎったん、ばっこ…

ひとりごと集 008

・秋は、死んだ。 ・秋がなくて寂しい思いをしながら秋を諦めていたら、12月に入ったところで秋のような空気を醸し出した週があった。山々の木々が赤い。そこらへんを歩いているだけで、あ、秋、いるいる。と思う。でも朝晩はすっかり寒いし来週からは雪マー…

ひとりごと集 007

・ゑ?秋じゃない? ・終わらないと思っていた、今年の夏は。日本一暑い街に住んでいた日があった。そんな日がいくつもあって、気合を入れないと外に出られなかった。毎日意識が朦朧とするほどの暑さで、どうにかなってしまうんじゃないかと思っていたけどど…

ぽえむ 017

8月がもう終わる頃 さんかく公園 君がギターを拾ってさ ぽろりぽろりと奏でたよ 歪んだギターの情けない音 みたいな顔した君が 弾いてみるかなんて聞いてきて あたし別にって思ったのに つい乗せられてさ 細い指につられてさ 君は言う これがFでこれがG あた…

ひとりごと集 006

・気がつけば春、全然春、埋まるかと思うほど降り積もった雪は消えてしまった。新学期の来る4月、ぼくは本当にこの時期が嫌いで嫌いで吐き気を催すほど嫌いだったのに、雪国に来てからはいつしか待望むようになっている。思い出は気付いた頃には遠くなるか…

ぽえむ 016

夜更けにひとり 歩く人の街 静けさから聞こえる 彼らが眠る息遣い 眠れない夜 来たはずの明日に 僕はまだ行けぬ このままどこまでも 今日が続くのなら 今を捨て去って 先の日に思いを巡らせ 愛した日があった 愛せなかった日もまた あった 堂々巡りの毎日に …

ぽえむ 015

手のひらの中 この僥倖を 桜の花びら包むみたいに そっと握る なにもかもが こぼれ落ちてしまったような そんな気でいた 今まで もう戻れないところまで来たのだと 何度も思って 何度も 春風が撫でるように 僕の鼻先をくすぐる君と 目が合う 微笑う それだけ…