Gurnard Murmured

とりとめもない話、そのすべて

12月22日 PM9:13 リビング

ぱたぱたと鳴る

 


雨が、鳴る

 


夜9時を少し過ぎて

君が淹れた

ホットカフェオレが

ちょっと、

ぬるくなって

猫舌のぼくに

ちょうどいい温度になった

 


「来る」

 


宙ぶらりんの視線、

 


「奴が、来る」

 


読んでいた本を閉じる。

 

 

 

 

 

それは魔法かもしれない

誰かがかけた呪いだったかもしれない

パッと明るくなったかと思えば

赤や緑、金色に光る

にわとりたちが世界中に散らばって

ひとつ、ふたつと

たまごを産み落とし

中から

これまた赤や緑、金色に光る

にわとりたちが、

それで、それでね、

世界はね、

 

 

 

 

「まあ、落ち着きなよ」

 

 

 


「来るんだよ、奴が」

 

 

 


「それでもいいよ」

 

 

 

 

君はまた本を読み始めた

まるでなにも無かったみたいに